メニュー
メニュー

生命医薬情報学連合大会2015年大会

生命医薬情報学連合大会2015年大会では産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門HPCI人材養成プログラムと共催でスポンサーセッションとチュートリアルセッション(関連技術の講習会)を開催いたします。皆様のご参加をお待ちしております。

jsbi2015_image

スポンサーセッション

生命科学におけるインフォマティクスと物理化学の融合
-バイオインフォマティクスを広い視点から鳥瞰する-

日時 2015/10/30(金) 13:30~15:30
場所 京都大学宇治キャンパス おうばくプラザ 1階 第3会場アクセスキャンパスマップ
主旨 計測技術の急激な進展は、分子から細胞に至る生命ビッグデータを私たちにもたらし、より広い視点から生命を捉える必要性を私たちに訴えかけています。ここでは、物理化学、システム科学、そして情報科学の視点から最近の研究動向を明らかにし、それら諸学問が相互に連携し、これからのバイオインフォマティクスが進むべき道について議論できればと願っています。
主催 理化学研究所 HPCI計算生命科学推進プログラム
共催 産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門HPCI人材養成プログラム
参加費 無料。ただし参加には生命医薬情報学連合大会2015への参加登録(有料)が必要 。
要旨

◆オープニング
座長:江口 至洋(理化学研究所 HPCI計算生命科学推進プログラム

◆細胞内環境での蛋白質の分子運動と機能
杉田 有治(理化学研究所 杉田理論分子科学研究所)

真空中の蛋白質の分子動力学シミュレーションが初めて行われてから約40年が経ち、これまでに非常に多くの計算が行われた。現在の主流は希薄溶液中の1蛋白質に関するシミュレーションであり、蛋白質の構造とダイナミクス、そして機能との関係を調べることが主な目的である。創薬応用の観点からは蛋白質と薬剤候補化合物の結合強度を予測するための自由エネルギー計算も重要である。しかし、細胞内における生体高分子の濃度は300-450g/Lであり、25-45%の体積を占めており、従来の分子動力学計算で対象としている希薄溶液中とは大きく異なる環境である。我々は、1億原子を超える分子混雑系を様々な実験データを用いて構築し、スーパーコンピュータ「京」を用いて全原子分子動力学計算を行ってきた。本セッションではこの大規模計算で用いたソフトウェアと得られた計算結果について紹介する。

◆上皮成長因子応答経路の1分子粒度シミュレーション
高橋 恒一(理化学研究所 生命システム研究センター)

上皮成長因子応答経路は増殖や分化などの細胞運命を制御するMAPKであるERKの活性化を引き起こす信号伝達経路のうち主要なものの1つである。共焦点顕微鏡を用いてEGFPで蛍光標識されたERK分子の核移行を観察すると、遺伝的に同一な細胞群に全く同一の条件で増殖因子刺激を与えても、因子の濃度によっては細胞間で応答のばらつき(応答不均一性)が生じる場合がある。本研究では「京」を用いて分子混雑などの細胞環境を考慮した1分子粒度シミュレーションを実行し、ERKの応答不均一性を再現する事に成功した。また、その発生機序が特定のタンパク分子の外因的ノイズと関連する事を示唆する結果を得た。さらに、このシミュレーション結果を利用して、機械学習により遺伝子の発現レベルから確率的な細胞応答の事前予測が可能である事を示唆する結果を得た。

◆「京」、及びポスト「京」がブーストするがんビッグデータ解析
宮野 悟(東京大学医科学研究所 ヒトゲノム解析センター)

がんを理解するためのゲノムをはじめとする多様なデータの急激な増大への挑戦は、スーパーコンピュータを活用したがん研究に新たな領域を創造している。がんのシステム異常の理解や様々な予測のための数理的方法論が導入され有効性を発揮している。本発表では、ヒトゲノム解析センタースーパーコンピュータや「京」コンピュータを使い、予後の良・不良などの裏にある個々人のがんの遺伝子ネットワークの特徴の俯瞰、がんビッグデータを用いた薬剤感受性・耐性を支配している遺伝子ネットワークの構造の相違、がん融合遺伝子の網羅的解析などについて報告する。また、「安く・速く・正確に」を実現し、やがて100ドルゲノムの時代もやってくる。誰もが自分のゲノムデータにアクセスできる時代が到来し、ゲノムビッグデータが誕生する。そのなかで、ゲノム医科学においては、ゲノムデータの臨床翻訳と解釈が最も重要な課題の一つとして世界中で取り組みが始まっている。個々人のゲノムデータを医療・創薬へと翻訳するためにビッグデータの活用が考えられ、百万人規模のゲノムや関連するデータのシェアリング体制の構築が始まった。ビッグデータの解析と利用には、IBM Watsonが、Memorial Sloan-Kettering Cancer Center, Mount Sinai, MD Anderson Cancer Centerなど十数カ所に既に導入され動き出している。東大医科学研究所にもIBM Watson Genomic Analyticsが2015年7月に導入され、がんの臨床研究などに応用され始めた。その様子などについても報告する。

 

チュートリアルセッション

並列配列相同子検索プログラム「GHOST-MP」講習会

日時 2015/10/30(金) 15:45~17:15
場所 京都大学宇治キャンパス 化学研究所 農学研究科会議室M-105 (アクセスキャンパスマップ
要旨 「GHOST-MP」は、高速な配列相同性検索を行うGHOSTXアルゴリズムを分散メモリシステム向けに並列化したソフトウェアです。 次世代シークエンサー等で得られた大量の短い塩基配列またはアミノ酸配列を入力し、アミノ酸配列データベースに対する相同性 検索を短時間で実行でき、メタゲノム解析などの用途に適します。 本講習会では、「GHOST-MP」のしくみと利用方法を説明し、メタゲノムデータ解析を例に、スパコン「京」と互換性が高い理化 学研究所のSLCS計算機システムを用いたGHOST-MP実習や、ウェブサイトを利用したその結果のさらなる解析方法などを実習します。
主催 産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門HPCI人材養成プログラム
共催 理化学研究所 HPCI計算生命科学推進プログラム
参加費 無料。ただし参加には生命医薬情報学連合大会2015への参加登録(有料)と申し込みが必要。
受講要件 実習用ノートPCをご持参いただきます。
その他の要件についてはホームページを必ずご確認ください。
https://hpci.cbrc.jp/modules/tutorial/biomedpharminfo2015.html
講師 秋山 泰(東京工業大学)
石田 貴士(東京工業大学)
角田 将典(東京工業大学)
申し込み お申し込みはこちら
申し込み受付期間:2015年9月1日(火)11時~2015年9月30日(水)15時30分
pagetopへ