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"バイオインフォマティクス夏の学校"で講演しました。

平成24年7月1日に、福岡県高等学校生物部会と九州大学大学院システム生命科学府の主催によりバイオインフォマティクス夏の学校2012が、九州大学箱崎キャンパス システム生命科学府講義棟で開催されました。

今回で10回目となる夏の学校は、「発生と形成」をテーマとし、福岡県の高校生物の教諭35名を対象に開催されました。九州大学3名の先生による講演内容は、高校生物の教科書で常連の生物であるヒドラの発生生物学の研究紹介をはじめとし、ゲノム刷り込みのメカニズムや進化、体の左右非対称性を生み出す仕組みと左右関連の先天異常についての解説などがありました。

HPCI戦略プログラム分野1からの講演は、「スーパーコンピュータ京:生物学に吹き込む新たな風」と題し、「スパコン「京」って何?」「生物学は離れ小島?」「生物学と数学、物理、化学は陸続き!」の3つをテーマに沿って、21世紀は生命科学の世紀であるという当プログラム副統括の思いのもと進められました。 「京」および戦略分野が取り組んでいる5つの分野の説明に続き、我々の分野1「予測する生命科学・医療および創薬基盤」について紹介をしました。「京」を最大限に活用することにより、生物学は過去の研究の流れである“記載型”から新しい流れといえる“解析・統合型”に急速に繋がっており、いまや数学、物理、化学とは切り離せない陸続きであるということを、スライドを交えながら講演しました。

終了後に寄せられた参加者のご意見では「ばらばらであった生物学、数学、化学、物理学が繋がってきました。それを繋げたのがデータであり計測技術と計算機の進歩であることがよくわかりました。」「スパコンが進化していくことで、生物学と他の科学とが近づいてきている印象を感じることができました。」などと、離れ小島ではないとのご理解を多くいただくことができ、大変うれしく思います。数学、物理、化学、生物、地学が密接に繋がっていると、大学時代にすでに実感されていた先生もいらっしゃいました。高校理科は新課程になり生物の内容が大幅に変更することになったので、理科の科目が陸続きに感じられるようになるのではと期待の声もあり、今回の夏の学校で得た知識や情報を高校での授業に活かしていきたいとのことです。

HPCI戦略プログラム分野1には、研究開発グループと、その研究開発のサポートをしながら計算科学技術の推進体制を構築するグループの2グループから成り立っています。推進体制構築チームでは、計算生命科学への理解を得る活動を行っています。今回の生物部会での講義も、我々の重要なミッションです。今後もますますの充実を図り、計算科学技術の発展に寄与していきたいと思っております。

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