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2013年9月9日 「京」が切り拓くライフサイエンス最前線!勉強会 開催報告

9月9日(月)にプレス関係者、計算生命科学・生命科学に関連する研究者の方を対象に、「”「京」が切り拓くライフサイエンス最前線!”勉強会」を開催しました。
各講師の要旨につきましては、下記にご覧いただけます。発表資料ついては下記のプログラムの発表タイトルをクリックしてご覧いただけます。

概要

開催日 2013年9月9日(月)
開催場所 理化学研究所計算科学研究機構(神戸)1Fセミナールーム
主催 理化学研究所計算科学研究機構、HPCI戦略プログラム 分野1・分野2

プログラム

14:30~14:35 主催者挨拶
理化学研究所計算科学研究機構 機構長 平尾公彦
14:35~14:45 主催者挨拶 「京」が切り拓くライフサイエンスの 最前線へようこそ!!
理化学研究所HPCI計算生命科学推進プログラム 統括 柳田敏雄(分野1)
14:45~15:15 蛋白質や核酸は細胞内でどのように働いているのか?:細胞環境を考慮したシミュレーションが可能にする新しい生命科学と応用
理化学研究所 杉田有治(分野1)
15:15~15:45 ウイルスの営みを分子レベルで解明する
~抗ウイルス剤やワクチン開発に新しい道を拓く~

名古屋大学 岡崎 進(分野2)
16:00~16:30 「京」を利用した新しい創薬プロセスの可能性
東京大学 山下 雄史(分野1)
16:30~17:00 予測医療に向けた階層統合シミュレーション
東京大学 高木 周(分野1)
17:00~17:30 アンチメタボ細胞の新規メカニズムやがんの薬剤耐性システムの多様性が浮 き上がってきた。お口の中の「細菌」事情も見えてきた。
東京大学 宮野 悟(分野1)
 

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プレゼンテーション要旨

蛋白質や核酸は細胞内でどのように働いているのか? :細胞環境を考慮したシミュレーションが可能にする新しい生命科学と応用
従来行われていた溶液中の蛋白質ダイナミクス(動き)を、細胞環境をあらわに含む蛋白質群 の高解像度シミュレーション解析へ「京」を用いて発展させます。混雑した細胞内環境で、蛋白 質がどのように安定性を保ち、機能を発揮するのか、原子レベルで明らかにしていき、医療、創 薬分野での基礎的知見を得ます。

ウイルスの営みを分子レベルで解明する~抗ウイルス剤やワクチン開発に新しい道を拓く~
物質なのか生物なのか?その境界にあるウイルス。ナノサイズと非常に小さく、感染過程など の営みを直接観察することは非常に困難です。そこで、スーパーコンピュータ「京」が登場。「京」 を使えばウイルスやレセプターの動き全てを丸ごとコンピュータの中に再現し、その振る舞いを こと細かに分子レベルで”観察”できます。今回は現在進行中の研究を紹介し、これが新しい原 理のワクチンや抗ウイルス剤へとつながっていく道筋についてお話しします。

「京」を利用した新しい創薬プロセスの可能性
これまで偶然頼みであった薬づくりは、徐々に論理的設計に転換しつつあり、今ではコンピュー タを利用して薬づくりを加速しようという研究が世界的に盛んになっています。しかし、従来の計 算精度は不十分であり、計算機の役割は限られています。今回、私たちの研究グループは、高 精度計算を薬づくりのプロセスに導入する試みを行い、「京」の強力な計算力がこの新しい薬づ くりプロセスを実行可能にすることを示しました。

予測医療に向けた階層統合シミュレーション
私たちの研究グループは、統合されたシステムとしての人体の再現を目指しています。今回は、 「世界初、心筋細胞内の分子の動きから心臓全体の拍動まで一挙にシミュレーションする心臓 シミュレータ(UT-Heart)」、「世界最速の流体構造連成シミュレータZZ-EFSI による血流のシミ ュレーション」および「世界最大の脳神経系シミュレーションに成功したNESTを用いたパーキン ソン病のモデリング」について紹介します。

アンチメタボ細胞が生まれる新たなメカニズムを明らかにする
肥満にとっては悪玉ともいわれる白色の脂肪細胞が、寒冷刺激によりベージュ色に変化します。 このベージュ細胞は骨格筋の100倍の熱産生能力を持つアンチメタボ細胞で、その全遺伝子を 「京」で解析した結果、熱産生の鍵遺伝子を惹起する新たなメカニズムが浮かび上がってきまし た。

がんが薬剤耐性を獲得する多様な仕組みが浮き上がってきた
がんは抗がん剤に対してやがて耐性を獲得します。「京」によるかつてない規模のデータ解析に より、抗がん剤に対する薬剤耐性とがんのシステム異常を約400億個の遺伝子因果関係として 抽出し、その本態に迫っています。

補足説明

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