山村 直人

2002年,東京農工大学において博士(工学)を取得する。博士論文では,金属板材のプレス成形解析におけるスプリングバック解析の高精度化に関する研究を行った。その後,理化学研究所,生体力学シミュレーション特別研究ユニットにおいて,脳神経外科医のためのトレーニングシミュレータの開発,さらに,次世代計算科学研究開発プログラムの研究員として,ヒト骨格筋の収縮挙動と骨格の関節運動を再現する3次元筋骨格系力学シミュレータの開発を行った。
現在,東京大学大学院 工学系研究科において,コンピュータ・シミュレーションによる脳神経疾患の運動機能障害の病態予測と治療支援を目指して,ヒト全身の神経-筋-骨格系の統合シミュレーションシステムの構築を行なっている。特に,脊髄の運動神経への刺激入力と運動単位を考慮した筋線維レベルからのマルチスケール・マルチフィジックス筋収縮モデルの開発を行なっている。
研究分野は,計算力学・連続体力学・非線形有限要素法などを駆使して,実験が困難な問題をコンピュータ・シミュレーションにより仮想的に解き,そこで起こっている現象を理解し予測するための新しい手法の開発を行っている。特に,工学的な観点から,製造業や医療現場で活用することのできるシミュレータの開発を目指している。