BioSupercomputing Newsletter Vol.10

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海津特別研究員

HPCI講習会の様子



松田教授

e-ラーニングの画面例 講義ビデオの進行に合わせてスライドが切り替わります。

 神戸ポートアイランドとよく似た雰囲気の人工島、東京・お台場。ここで産業技術総合研究所生命情報工学研究センター(産総研CBRC)がSCLSの人材養成プログラムを実施しています。大規模計算機による研究成果は、各地で開催されるシンポジウムなどでよく報告されています。しかし実際に自分の研究で使ってみたいと思っても、ライフサイエンス分野の方々にとって計算機の使用はまだまだ敷居が高いものです。そこでCBRCでは、計算機利用者人口を少しでも増やし、いつか「京」のような大規模計算機で研究ができる人が生まれてくることを期待して人材養成を行っています。
 ここでの人材養成の特徴は、大規模計算の研究の成果や展望を広く一般に向けて発信する「ワークショップ」、多数の最先端の研究者による「セミナー」、1人1台のPCを用いた実習がある「講習会」、“スキマ時間”を活用して受講できる「e-ラーニング」と、4つのスタイルで充実した教育を実施していることです。
 このうちセミナーは、一般公開しているだけでなく東京大学大学院新領域創生科学研究科の協力により単位認定科目となっており、東大の3つのキャンパスにTV会議システムを通じて配信されています。企業の方を含むプロの研究者と共に同じ講義を聞いている学生に、よい刺激を与えていることを期待して、毎年企画しています。
 講習会のカリキュラムは、基本的なデータファイルフォーマットについてから始まり、実際の解析パイプラインでよく使われる解析ソフトウェアの使用法まで学ぶ、実践的なものとなっています。
 e-ラーニングでは基礎から最先端まで幅広い約60の講義(2014年1月現在)に、毎年最新の講義ビデオを追加しながら、みなさんをお待ちしています。

詳しくはホームページをご覧ください。
http://hpci.cbrc.jp/

BioSupercomputing Newsletter Vol.9

京ブース

「京」ブースで研究活動の説明をするスタッフ



SCLSショートレクチャー

SCLSショートレクチャーの様子

 11月18日から22日までSupercomputing Conference 2013 (SC13)が米国デンバーで開催されました。理化学研究所 HPCI計算生命科学推進プログラムからは、高度化推進チームの研究員 宮内 敦と、企画調整チーム員 神内 衣里香が参加し、世界のスーパーコンピュータに関する情報収集などを行いました。
 SC13は、HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング)の活用や、科学の発展・学識向上に関する研究や教育に役立つための情報交換、話し合い、連携の機会を提供する場として、今年で25回目を迎えた高性能計算技術に関する世界最大の国際会議です。
 講演や論文発表などに加え、スパコンランキング「Top500」やゴードンベル賞の発表、大学、研究機関、企業ブースの出展などがあります。
 「京」を運営・管理する理化学研究所 計算科学研究機構は、昨年に引き続き出展に参加し、「京」を使った研究活動の展示のほか、関係機関(HPCI戦略プログラム含む)からの講演者によるショートレクチャーを開催しました。
 SCLSでは、「Collaboration of Education and Outreach activities」と題し、SCLSの活動や知識を共有し、共同研究や教育・アウトリーチ活動においてグローバルな連携を築くきっかけの場になればという思いを胸に、レクチャーを行いました。
 講演後には、バイオインフォマティクスの教育などについての質問のほか、アウトリーチ活動に力をいれている米国政府機関とも情報を共有することができました。またSCLSの活動や、日本との教育・アウトリーチ活動に興味を示す団体との交流も生まれ、活動拡充の可能性を感じたレクチャーとなりました。